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大規模修繕工事  設計監理

 建物診断により大規模修繕工事の実施時期の判断を行います。直ちに実施する必要がある場合、設計業務に取り掛かります。
その設計業務とその後に続く監理業務についてご紹介します。
 
[設計業務]
 1.設計図作成
  比較的最近の建物は図面がひととおり揃っているケースが多いですが、古い建物では、図面が
  まったくないこともあります。最近の建物でも大規模修繕工事完了後にはその図面に補修履歴
  の保管をしなければなりませんので、CAD(キャド:コンピュータを使って設計図を作成するソフト)
  による図面(平面図、立面図等)が必要になります。
 2.仕様書作成
  設計業務のうちでもっとも重要な業務です。
  建物診断に基づいて修繕内容を決定し、仕様書としてまとめます。
  劣化・破損状態と補修方法についてご説明します。
  [A]塗装面及びモルタル面のひび割れ補修
   ①幅0.3mm未満のひび割れ:フィラー擦りこみ工法
    ポリマーセメントフィラーまたは微弾性フィラーをひび割れに沿って、刷毛等を用いて擦り込む
    ように充填します。

   ②幅0.3mm前後のひび割れ(耐力を要さない場合):ダイレクトシール工法
    エポキシ編成シリコン樹脂を専用ガンにてひび割れに圧入します。

   ③幅0.3~1.0mm程度のひび割れ(耐力を要する場合):低速低圧エポキシ樹脂注入工法
    亀裂に沿って旧塗装のトップコートや、付着物を幅3cm程度の範囲で入念に除去します。
    亀裂幅に応じて100mm~200mm程度の間隔で注入孔を設け、低速低圧注入器を用いて、
    エポキシ樹脂を注入します。

   ④幅1.0mm以上のひび割れ:Uカットシーリング工法
    ひび割れに沿ってダイアモンドカッターで深さ10~15mm、幅10mm程度にU字型の溝を
    彫ります。
    ウレタンシーリング材を充填し、その表面をポリマーセメントモルタルで覆い、仕上げます。

   ⑤大きい欠損の場合:リフリート工法
    爆裂などによって鉄筋が露出してしまったり、コンクリートが剥離して浮いている状態の場合、
    劣化したコンクリート部分を除去し、鉄筋の錆びた部分を全て露出させます。鉄筋表面の錆を
    全て落とします。
    露出させたコンクリート面とその周辺のコンクリート表面に中性化抑止材を含浸させます。
    コンクリート面と鉄筋表面に防錆処理材を塗布します。その後、ポリマーセメントを欠損部分に
    埋め込み、表面を平滑に仕上げます。

   ⑥さらに大きい欠損の場合:リフリート工法
    欠損部分が大きい場合は、前項と同様に処置しますが、さらに、ピンニングやステンレス
    ワイヤーで結束することによって充填物の落下を防止します。

  [B]タイル面の補修
   基本的には、前項の[A]塗装面・モルタル面の補修と同様ですが、タイルだけの損傷の場合は
   タイルの補修だけを行います。
   ①タイル一枚だけが欠けていたり、浮いている場合
   ②ある程度の面積でタイルが浮いたり欠けたりしている場合
   ③連続して何枚かのタイルに亀裂があったり、浮いたりしている場合
   上記①の場合はタイルだけを交換・張替え。
   ②の場合で、内部の躯体には異常が無いと考えられる場合は目地部分に穴を開けてエポキシ
   樹脂を注入して、タイルを躯体壁面に密着させます。②の場合でも周囲の状況から躯体の異常が
   考えられる場合及び③の場合には一部のタイルを剥がして劣化の状況を調査し補修方法を決定
   します。

 3.見積り数量算定
  上記のように、実際にタイル等を剥がしてみなければ補修作業が決定できない不確定要素は残り
  ますが、過去の実績・経験から、補修箇所と工法及び数量(長さや面積など)を概算します。これ
  を基に施工業者が見積りを行いますので、充分な実績・経験が無いと、見積り額と実施結果が
  食い違ってしまい、場合によっては資金が不足してしまうような事態に成りかねません。
  したがって、実績・経験の豊富な設計事務所を選ぶことが重要です。

 4.施工業者見積り合わせ(入札)の為の資料作成
  上記の見積り数量の他に、施工業者が、より正確な見積りを算定できるよう、資料をまとめます。


[監理業務]
 大規模修繕工事の監理業務では「設計図書」「仕様書」「現場説明書」等に基づいて工事を進捗
 させるため、下記の業務を行います。
 1.決定した施工者との打ち合わせを行い、安全計画・仮設計画等の指示を行います。
 2.居住者への説明会・管理組合総会・理事会・などに立会い、説明や助言を行います。
 3.施工者との打ち合わせを定期的(通常週一回程度)に実施し、工事期間中に発生する様々な
   問題に対処します。
 4.足場に上がり、外壁の実数検査に立会います。
 5.前項により、外壁の改修工事の金額が実数精算されます。
 6.最終引渡しの際の現場チェックを実施します。
 7.施工者による工事報告書を審査し、管理組合様に提出します。


[大規模修繕工事 最近の実施例]